絵を始めたこと

  私は今まで映像やインスタレーション最近始めたを主に作っている。
インスタレーションにはスペースは必要だし、観客の存在が必要不可欠である。
世界的パンデミックによって、展覧会はなくなったり、海外に行くことも制限された。
この環境で作品を作り続けることについて改めて考えた。
どこでも作りたい時にできるメディアに目が向いた。

その一つには映像があった。
映像は今までも作っていたが、2020年は今までとは違って一人、または二人で制作できるものにした。
自分も出演したし、撮影もした。

もう一つ、絵も描いてみた。
絵は、どこでも、誰でも、一人でも、観客がいなくても、

電気がなくてもできる。

どんな人にも開かれたメディアである。
病気になったり、貧乏になったり、弱ってもできそうだ。
こんな世の中になって、自分にある弱さをもっと認めてもいいと思った。
弱さがあることを認める。
繊細な今まで見えなかったことに目を向けたい。
小さな傷に敏感になる。
ひび割れていたり、破れていたり、擦れたり、か細い引っ掻きでできるものが良い。
弱さが表面に滲み出でるものがいい。
それにしては表面に現れた表現はまだまだ強いかもしれない。
絵には、逃げている人、花、道、爆発をモチーフにした。

これらはまだ作品にはならないかもしれない。
私のここのスタジオでの創作はまだ過程の途中にある。