自然と人が出会う場所

火曜日は山田沙奈恵さんのオープンスタジオの最終日でした。

その日は、私がセンターの入り口にたどり着くと、neruの佃七緒さんがちょうど坂から降りてきたところでした。私を見て、ちょっと相談したいことがあると。

死んだ野うさぎがあるから、埋葬したい。
どうやら猫が生きたウサギを咥えて、センターを横切ろうとしたそうです。ちょうどその時、猫は佃さんと鉢合わせをしてしまい、驚いて捕らえたウサギを口から離してしまったらしいのです。それがちょうど、今使っていないメイン玄関の木のアプローチのところでした。そこを見ると、真ん中に小さめの茶色いウサギが死んでいました。確認した私は、区に野生動物の死骸への問い合わせの電話をしにその場を離れました。

戻ってくると、佃さんと、山田さんは近寄ってウサギをみていました。佃さんが見た時はまだ生きていたそうです。二人のまっすぐに、そして労るように見つめる様子が、なんだかウサギの弔いになっているように見えました。

区はウサギの死骸を取りに来てくれるということでした。有り合わせのお線香をあげた後で、それぞれ自分の作業に戻り、しばらく区の業者の来訪を待ちました。しばらくしても呼び鈴も鳴らないし、誰か来た気配もありませんでした。

業者さんまだ来ないなと、アプローチを見に行ったら、まるで最初からなかったようにウサギは跡形もなく消えていました。お線香の残骸だけが残っていました。夢にしては現実的な、それでも変な夢を見たような気分になりました。

数ヶ月前にセンターで行ったイベントの、パーマカルチャーデザイナーの安川エリナさんが言ったように、地理的にも、センターは人間と自然が出会う場所だと思います。前は住宅街、後ろは山である。隣にはお墓があることなんかは、生と死が出会う場所でもあると思っています。

これは考えすぎかもしれないけれど、近くに保久良神社があるのも影響するんじゃないかと密かに妄想しています。物語を紡ぎ出しそうな場所です。アーティストの方なら経験あるかもだろうけど、たまに出くわすアーティスト・イン・レジデンスなんかにあるような怖い雰囲気ではありません。長居したくなるような場所です。

ウサギの死のことは、不吉じゃないかと実際自分の頭の中を遮ったのだけれど、そんな感じではないなと感じます。
今回のことは私にとって強く印象に残りました。なんとはなくアートと結びつけてしまいます。アートは不思議なことを引きつけます。そして、様々な現象を浄化してくれるとも思っています。
この不思議なセンターは不思議なまま、夢にしては現実的な、夢が見れる場所であり、そんな活動を展開したいと考えています。