Blog | 2025

稲垣智子:3月の予定(2025)

3月春の始まり。私が住んでいる神戸、岡本では梅が咲き始めました。

運営しているOAG Art Center Kobeでは、ねるneru企画のアートイベント『ぐねる』『トンネル』が行われています。
https://oagartcenter.com/neru/
2月末に行われた『ぐねる』の方は、丁寧に作られているのを感じるイベントで、センターの建物もこのように使用されて嬉しいだろうなと思いました。
3月最初の週のイベント『トンネル』はこれから。
多くの人にぜひ、みてもらいたいイベントです。

★ 2025年3月の教える日
大人と、子どももときどき教えています。
ここでは大人クラスのみの紹介です。現代美術を学びたい人も!
岸和田も岡本もどちらも素敵な建物の中にあります。体験だけでもどうぞ。

@ARTCA芸術教室(岸和田) https://www.art-ca.com/kishiwada
木曜日:6、13日
土曜日:1、8、15日
日曜日:9、30日

3月22、23日は毎年恒例の教室の春の展覧会があります。

@OAG Art Center Kobe(神戸、岡本) https://oagartcenter.com/classes/
水曜日:5、19日
日曜日:2、16日


untitled Acrylic 2022

「相容れないもの」とは?

2/10と2/11、哲学カフェ×アートとして『言葉と色彩で探る“相容れないもの”』というイベントがOAG Art Center Kobeで開催されました。

私も2日間参加し、さまざまな対話の中で、自分の経験や思いをまっすぐに言葉にすることに努めました。
それはきっと、自分にとって意味のあることなのではないかと思います。
息を吐くようにストレートに言葉にすると、自分の中のあるチリのようなものが、一緒に出ていくようなセラピー的な要素があると感じました。

同じテーマで、参加者は違いますが、同じトピックで話さ2日間を通して私が感じたのは、「あと少しで腑に落ちそうな感覚」でした。
相容れないことは、実は相容れることができること。
あなたも、私も、本質的には相容れない存在であること。
相容れないと思いながらも、お互いに歩み寄ろうとする。
でも、自分の考えられる範囲には限りがあるからこそ、相容れないことにもなってしまう。そんなことを考えました。
それもまた、人の関係性の複雑さであり、魅力にもつながるかもしれません。

この課題を通して感じたことは、お互いが対話することで、もしかしたら相容れないことも解決できるのかもしれない。
ただ、もっといいのは、今回のように進行役がいること、第三者、仲介役がいることによって受け入れることにつながるかもしれないということでした。

イベントでは、最初の1時間は語り合い、その後、絵を描く時間に移りました。

言葉にならなかった表現や、感情を、透明水彩を使用し、ウェット・イン・ウェットの技法を使いました。
色彩表現は、うまい・へたを超え、水による作用によって自然も加味し、程よい具合のイメージが出来上がりました。
哲学カフェが、会話であるように、シンプルな水彩表現は作家のコントロールからも離れ、対話と相性が良いと感じました。

参加者の方々が表現したイメージは、それぞれの表現はまったく異なり、それぞれがまったく違うものを持っていることを露わにしていました。
絵を見ていると、相容れないことがあるのも当然かもしれません。どの絵も豊かな表現でした。

「語る」「描く」、そして「説明する」という流れは、アートの手法としてもとても興味深く、有意義なものだと感じました。
哲学カフェもアートレッスンにも適していて、わたし自身も良い時間を過ごしました。


イメージ:2月10日に参加していただいた方の作品です。

1月の東京、そして見たもの

一月、久しぶりに東京へ向かいました。目的は、展覧会。特に「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を見たかったのです。タイトルが女性話後なっていることで、少し物議を醸し出した日本語訳。でも、素敵なフレーズを選んだと思います。

ブルジョワ展だけではなく、今回は良い展覧会をいくつも見ることができました。それだけで、訪れた意味があったように思います。特に、東京都庭園美術館で開催されていた「そこに光が降りてくる」──青木野枝と三嶋りつ惠の展示。静けさと光と強さが混じり合い、美しく装飾された美術館との響き合いが生まれていました。いつかはこんな展示をしてみたいと思う、今回の東京で一番よかった展示です。

DIC川村記念美術館が4月には閉館するということで、「西川勝人 静寂の響き」を見に行きました。白の多様な表情を味わいながら、その奥深さに引き込まれていきます。実際に足を運び、目の前で見ることができてよかったと思いました。場所は遠く今は混んでますが、リラックスできる環境です。

そのほかにも、パナソニック汐留美術館の「ル・コルビュジエ──諸芸術の綜合 1930-1965」、アーティゾン美術館の「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」。どちらも異なる展示でしたが、それぞれに見応えがありました。

念願のルイーズ・ブルジョワ作品を前にして、ふと考えました。彼女はもう亡くなったのでかないませんが、もし、彼女自身がこの展示を構成していたら、どんな違いが生まれていただろう、と。作品の力強さは変わらないけれど、作家の構成が加わることで、何かさらにが生まれたかもしれません。

生きている作家の展覧会には、場所とのコラボレーションが生まれ、作家の躍動のようなものが漂っています。亡くなった作家の展示では、その部分が欠けてしまいます。

ルイーズ・ブルジョワの展覧会には、呼吸法の指導をされている加藤俊朗先生と一緒に行きました。先生はネガティブなものを避けるので、ブルジョワの作品はまさに陰なものがあるので、少し申し訳ないですが、私は一緒に鑑賞できてよかったです。先生のビシッとした生き方や姿勢を見ていると、呼吸の大切さを改めて感じます。集中するようにとアドバイスをいただきました。丹田を意識して集中です。

稲垣智子:2月の予定(2025)

2月になって早くも3日が経ちました。今年は2月2日が節分でした。私にとって2月2日は母と姪っ子のお誕生日で、いつもと違う日にちの節分は不思議な感じがしました。そして、今日は立春。暦の上では春が始まりました。

★ 関連アートイベント

哲学カフェ×アート「言葉と色彩で探る‟相容れないもの”」
日時:2月10日(月)19:00ー21:00(18:30開場)※満席になりました。
   2月11日(火祝)13:00-15:00(12:30開場)
2/10は参加者募集中。

進行役:松川 えり(カフェフィロ)、中岡 成文(一般社団法人 哲学相談おんころ)、稲垣 智子(美術家、アートディレクター/OAG Art Center Kobe)
会場:OAG Art Center Kobe (オーアーゲ―アートセンター神戸)

詳細:https://oagartcenter.com/cafephilo/

★ 2025年2月の教える日

大人と、子どももときどき教えています。
ここでは大人クラスのみの紹介です。現代美術を学びたい人も!
岸和田も岡本もどちらも素敵な建物の中にあります。体験だけでもどうぞ。

@ARTCA芸術教室(岸和田) https://www.art-ca.com/kishiwada
木曜日:7、21日
土曜日:8、15日
日曜日:23日

@OAG Art Center Kobe(神戸、岡本) https://oagartcenter.com/classes/
水曜日:5、19日
日曜日:2、16日

 2月は一番寒い時、これから春に向かうのが嬉しい季節です。春に向けて計画ですね。

 映像インスタレーション 2004

2/10, 2/11 哲学カフェ×アート「言葉と色彩で探る‟相容れないもの”」

好みや価値観、文化の違い、病気や障がい……あなたが「相容れないなぁ」と感じるのはどんなとき?
相容れないものを避けられなかったら、どうする?
参加者同士で語り合う哲学対話を楽しんだあと、絵の具で表現してみましょう。
言葉と言葉にならないもの、両方をとおして、発見があるかもしれません。

日時:2月10日(月)19:00ー21:00(18:30開場)※満席になりました。
2月11日(火祝)13:00-15:00(12:30開場)
2/10は参加者募集中。

進行役:松川 えり(カフェフィロ)
中岡 成文(一般社団法人 哲学相談おんころ
稲垣 智子(美術家、アートディレクター/OAG Art Center Kobe)

会場:OAG Art Center Kobe (オーアーゲ―アートセンター神戸)
(センター内に駐車場はございません。近隣駐車場をご使用ください。)

参加費:2000円(材料費込み)※支払いは現金のみ

持ち物:必要ありません、手ぶらでお越しください

申込:参加をご希望の方は、以下のフォームより事前にお申し込みください(前日正午まで)。2/11は満席になりました。2/10のみの募集。
https://forms.gle/vd2e5HV2wJBURdXc8

定員:10名程度

共催:北海道大学大学院医学研究院 公衆衛生学教室
北海道大学COI-NEXT
協力:カフェフィロ

フライヤー↓

hokudai_taiwa_20250124small

稲垣智子:1月の予定(2025)

2025年 明けましておめでとうございます。この新しい年が皆様にとって素晴らしい年になりますように。

2024年は、とても忙しい一年でした。大体のことはアートにまつわるものでしたが、その中の多様なことに手掛けながら思ったことは、自分自身にフォーカスをして、深めることが重要だと思いました。

昨年は自分自身の枠を広げることをしたと感じます。おかげでたくさんの人やものに出会うことができました。今年の目標は、そのご縁を深めること、そして自分自身にフォーカスして深めることにしたいと思います。

みなさんは、占いなどみたりするでしょうか?私は、占いが結構好きなんですが、今年は蛇年ですが、蛇のように柔軟さ、しなやかさがキーワードになるそうです。しなやかに深めていくなんて最高ですね。

みなさんの今年の目標はいかがでしょうか?

★ 2025年1月の教える日

大人と、子どももときどき教えています。
ここでは大人クラスのみの紹介です。現代美術を学びたい人も!
岸和田も岡本もどちらも素敵な建物の中にあります。体験だけでもどうぞ。

@ARTCA芸術教室(岸和田) https://www.art-ca.com/kishiwada
木曜日:9、23日
土曜日:11、18日
日曜日:26日
@OAG Art Center Kobe(神戸、岡本) https://oagartcenter.com/classes/
水曜日:15、29日
日曜日:12、19日

★ 12月の振り返り

2024年12月6日から12月28日には、The Third Gallery Ayaで個展「此方彼方-こなたかなた」が行われました。お越しいただいた皆様には感謝申し上げます。 展示は、写真、映像インスタレーション、パフォーマンスなどの多岐にわたるメディアを使用しました。パフォーマンスにもご参加いただいた方もいて、日本で一対一のパフォーマンスができたこと嬉しく思います。お気軽に感想などのフィードバックをいただければ幸いです。ご興味がある方は、インスタでも展示の画像をあげていますのでみていただければ幸いです。

2025年も、私の図案で彩られた薬師院にお参りに行ってきました。

それでは今年もよろしくお願いいたします。

The front image ‘《此方彼方》2024 Video installation’ is selected  to match the content.

Photo by Takuma Uematsu