1月の東京、そして見たもの
一月、久しぶりに東京へ向かいました。目的は、展覧会。特に「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」を見たかったのです。タイトルが女性話後なっていることで、少し物議を醸し出した日本語訳。でも、素敵なフレーズを選んだと思います。
ブルジョワ展だけではなく、今回は良い展覧会をいくつも見ることができました。それだけで、訪れた意味があったように思います。特に、東京都庭園美術館で開催されていた「そこに光が降りてくる」──青木野枝と三嶋りつ惠の展示。静けさと光と強さが混じり合い、美しく装飾された美術館との響き合いが生まれていました。いつかはこんな展示をしてみたいと思う、今回の東京で一番よかった展示です。
DIC川村記念美術館が4月には閉館するということで、「西川勝人 静寂の響き」を見に行きました。白の多様な表情を味わいながら、その奥深さに引き込まれていきます。実際に足を運び、目の前で見ることができてよかったと思いました。場所は遠く今は混んでますが、リラックスできる環境です。
そのほかにも、パナソニック汐留美術館の「ル・コルビュジエ──諸芸術の綜合 1930-1965」、アーティゾン美術館の「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて」。どちらも異なる展示でしたが、それぞれに見応えがありました。
念願のルイーズ・ブルジョワ作品を前にして、ふと考えました。彼女はもう亡くなったのでかないませんが、もし、彼女自身がこの展示を構成していたら、どんな違いが生まれていただろう、と。作品の力強さは変わらないけれど、作家の構成が加わることで、何かさらにが生まれたかもしれません。
生きている作家の展覧会には、場所とのコラボレーションが生まれ、作家の躍動のようなものが漂っています。亡くなった作家の展示では、その部分が欠けてしまいます。
ルイーズ・ブルジョワの展覧会には、呼吸法の指導をされている加藤俊朗先生と一緒に行きました。先生はネガティブなものを避けるので、ブルジョワの作品はまさに陰なものがあるので、少し申し訳ないですが、私は一緒に鑑賞できてよかったです。先生のビシッとした生き方や姿勢を見ていると、呼吸の大切さを改めて感じます。集中するようにとアドバイスをいただきました。丹田を意識して集中です。