アーティストの冬眠/アーティスト・イン・レジデンス

事後報告ですが、2月15日から20日まで「アーティストの冬眠」へ行っていました。というお名前のアーティスト•イン•レジデンスです。
私が派遣されたのは長野県にある木祖村。
美し山の連なりに囲まれ、人間が自然に住まわせていただいてるような感を受ける地域です。
「アーティストの冬眠」というだけあって、ゆっくり休んでもよし、作品を作ってもよしとアーティストのことを考えてくれたようなレジデンス。雪が真っ白に積もった美しい景色を眺めたり、長野に移住した友人に会ったり、スキーをしたり、その他いろいろ充実した日々を満喫しました。

 私の場合、プロジェクトの撮影したくてこのレジデンスに応募しました。その作品はプロジェクト「パーテーションズ」という作品で、始まりになった映像は大阪のスタジオ(SSK)で撮影しました。

プロジェクト「パーテーションズ」大阪で撮影したもの
撮影風景です。高い山の影が撮影場所まで覆います。

木祖村では、自分自身の撮影ではなく、住民の方々に撮影に参加していただきました。この撮影には「アーティストの冬眠」、木曽ペインティングスのスタッフの方々の多大なご協力のもとに可能となりました。感謝いたします!
現在は大阪で編集中です。
どうやって、この自然の雄大な土地の強い雰囲気を自分の作品に取り込めるかを考えています。

周りはキャベツ畑だそうです。冬は大地が広がります。
鳥居峠に至る途中の道。誰もいない道が続き、ただ冬枯れの木々が美しい。


2020/3/5-3/21SSKオープンスタジオ

2020年6月から2021年3月まで入居している大阪、北加賀屋にあるスタジオのオープンスタジオがあります。

私のスタジオは一階にある、真っ白の個室スペース。
一番シンプルに使用していて、一見制作しているのか?って感じのもののなさですが、制作はしています。作品が映像だと制作が見えにくいのです。
それでも、スタジオで撮影した作品もあったりと、制作の過程をオープンスタジオで見せることができたらと思います。
私は短期入居者だったので、今回のオープンスタジオがここでの最後の展示になります。
せっかくの機会ですから、オープンに向けて何かするかもしれません。
私の入居は2021年3月までですので、この機会にぜひどうぞ。
詳細は下記URLを見てください。

キュレーションはアーティストの笹原晃平さん、デザインは大槻 智央さん。
ほんとはこの4枚でGIFになっているのですが、ここではGIFで見せられなかったのが残念。

個展「Diary」の3つの作品

「Diary 2020」のギャラリーに置いていた作品説明です。

稲垣智子は、映像、写真、そしてインスタレーションなどのメディアを使用し、日本社会、ジェンダーにフォーカスした作品を主に展開しています。

今回は、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るいはじめてから現在まで、2020年に制作した3つの映像作品を展示致します。

映像作品《愛の無表情》では、映像加工アプリ「スナップチャット」の性別変換機能を使用し、女性である稲垣が出演者の男女両方を一人で演じます。ジェンダー、年齢によって、人間がどのように人を判断するのか。「愛」を取り上げ、見る人によって異なる様々な視点を提供します。


プロジェクト《Doors》は、1年に一度、作家がドアを開けて中に入るシンプルな行為を収めた継続的な映像プロジェクトです。2013年から始まり、今回の2020年バージョンも含めると8年目になります。2019年までは美術関連施設で撮影していましたが、今までとは異なり、2020年は展覧会やレジデンスが中止や延期になり自宅にて撮影しました。

プロジェクト《Partitions》は同じく、映像のプロジェクト型の作品です。パンデミック後の社会に必須となってしまったパーテーションを画面の中央に置き、祈る行為を行う映像です。

このプロジェクトは、現在参加者を募っています。内容は、身近にあるパーテーションを使用して、それぞれの方法で祈る行為を撮影し、映像に繋げていきます。

コロナ禍により引き起こされた、人と会うことが困難になり、内面を見つめる時間が長くなった環境で制作されたパフォーマンス的要素の高い3作品を、

作家の日記「Diary 2020」と名付け展示致します。

個展「Dairy 2020」とこの稀有(?)な状況

稀有(?)と書いたのは、2019年までを過ごしてきた人々にとっては、世界的パンデミックに遭遇するという稀有な状況なんだけれど、2020年からの平常というのは変わっていくのではないかと思ったからです。そして、この状況下の中、個展を行ったことはこれからの自分の活動を見直す意味でいい機会になりました。The Third Gallery Ayaでの個展は2020年11月から12月に開催され終了いたしました。寒さが厳しさを増してくる中、感染者数が増えていく中、そんな中、お越しいただき、作品を実際に見ていただいた皆さんには、感謝とそして同じ時期を一緒に過ごしているという同時代性的な感覚を持ちました。特に在廊中にお話しをする機会を持つことができた方とは、この時期にどう考えているのか、どう感じているのか、どう同じなのか、どう違うのか、色々刺激をいただきました。ありがとうございました。

この写真はすべて写真家、高嶋清俊さん撮影によるものです。

映像ばかりの展示で驚かれた方もいらっしゃるかもしれませんが、それほどに家で過ごす時間が増え、他にも漏れず自分も映像に頼る生活となったので、思い切って映像のみの展示にしました。個展では初めてではないかな。
久しぶりに脚本を作ったり、自分が出演したりして制作中は苦しく、そして、とても楽しい時間でした。

2020.11/14-12/12 稲垣智子個展のお知らせ

今日は11月14日から始まる私の個展のお知らせです。

2020年は特別な年となってしまいました。
アーティストとしての活動にも大きな変化がありました。香港の展覧会は無くなり、カナダとNYの活動は延期となっています。
そんな激動の年に個展として作品を見せられる機会というのは貴重です。

映像メインの展示ですが、これらの映像はすべて2020年に作られたもので、自然に新型コロナウイルスの影響を受けたテーマを含みます。タイトルは「Diary 2020」。日記的な要素を含み、パフォーマンス的な要素も含んだ作品です。一アーティストがこの世界的パンデミックといわれる状況に対して、どのように思ったか、制作を続けたかを、皆さんの経験と照らし合わせてみていただければ幸いです。

11月14日にはアーティストトークのイベントもあります。この時期をどう受け止めて、今後をどう選んでいくのか対話するように話したいと思っています。

稲垣智子個展「Diary 2020」
会期|2020年11月14日(土)-12月12日(土)
時間|水曜-金曜 12:00–19:00/土曜 12:00–17:00/火曜 by appointment only
会場|The Third Gallery Aya  
大阪市西区江戸堀1-8-24 若狭ビル2F地下鉄四ツ橋線・肥後橋の駅徒歩2分。地下鉄御堂筋線/京阪線 淀屋橋

google map

ギャラリーHP http://www.thethirdgalleryaya.com

アーティストトークイベント|

日 時:11月14日(土)18:00–19:00
参加費:1000円(1ドリンク付/税込)
会 場:The Third Gallery Aya
定 員:10人(要予約/通常の半分の席数とさせて頂きます)
申込先:event@thethirdgalleryaya.com/ 06-6445-3557
*Zoomでの参加も可能です。参加費500円となります。
*お申し込み後にZoomの詳細をご案内いたします。


アジアの女性アーティストデータベース

今秋の個展のためのイメージスケッチ

アジアの女性:ジェンダー、歴史、境界

アジアの女性アーティストデータベースに私も掲載されています。

 このサイトは美術史家であり、美術批評家である小勝禮子さんによって立ち上げられています。
https://asianw-art.com/inagaki-tomoko/
綺麗なページにしていただいています。テキストは以前高嶋慈さんに書いもらったものに加筆修正を加えていただきました。
 掲載されている他の女性アーティストの作品も興味深いので覗いてみてください。

 女性のアーティストだけのデータベースは稀少です。時代の流れによってこれもまた変わっていくのかもしれませんが、現在はフェミニストが受け入れられている時代な気がします。

現代アート年を終えて1

2019年は岸和田文化事業協会のテーマが現代アート年ということで、私が一年間のアート・ディレクターをしました。その業務も3月31日をもって終了し、終わってしまえば忘れてしまうのですが、この一年は忙しかったのか、いろいろあったので、「現代アート」年に何を行なったのか振り返っていきたいと思います。
大きくは一年に映像の公募展と展覧会というイベントを行いました。

最初にしたのは「JISEN CONTEMPORARY SHORT FILM & VIDEO」という公募と推薦の短編映像の展示です。公募から始まり、推薦と混合で1ヶ月に1人ずつ10分以内の映像作品を紹介していきます。5月から翌年の3月まで自泉会館のロビー付近に映像を投影し、毎月変えるという試みで、現代アートに興味がない、通りがかりの人やライブの待ち時間中の人など、多くの人に見てもらえる機会になりました。作品の種類は多様で、展示期間は長かったので、さまざまな種類の表現方法と長くみられる機会を得て、自然に現代アートに免疫がついた人も絶対いるはず。
どんな作家さんのどの作品を展示したのかの詳細はHPを覗いてみてくださいね。

現代アートが人を呼ぶことができるのかは置いといて、身近にあって、見慣れて親しみを持っていくことが必要だと思う。だから、映像たちはたぶん多くの訪問者の隣の人的な距離感を持って、自身について映像で語ったのではないでしょうか。
それが功をなしてか、2020年度もロビーの映像案は続くことになっているようです。どんな形になるかはまだわからないのだけれども。
一年限りのことがこうやって続いていくこと、続くことに意味がある、生まれていくこともある。岸和田に少なからず愛着を持っているものとしては、この地でで映像が育っていってほしいですね。

WAVES – FREQUENCES (波 – 周波数)ハンブルク・大阪友好都市提携30周年記念帰国報告展 at CAS

大阪のCASにてWAVES – FREQUENCES (波 – 周波数)ハンブルク・大阪友好都市提携30周年記念帰国報告展に参加いたします。

会期|2019年11月16日(土)~11月30日(土) 14:00-19:00 月・火休み
参加作家|今井 祝雄、稲垣 智子、瀧 弘子、川端 嘉人、笹岡 敬
オープニングレセプション|今井祝雄パフォーマンス:
11月16日(土)17:00~¥500(1ドリンク付き)

http://cas.or.jp/2019/Waves_Freq_kikoku/index.html

Nouvelle Fontaine

岸和田市民による芸術文化の共同事業体情報誌「ぬーべるふぉんてーぬ」No.64に載りました。

東アジアの女性アーティストに見る地域と歴史の境界をめぐる研究

大阪大学で行われる第3回科研研究会「東アジアの女性アーティストに見る地域と歴史の境界をめぐる研究」で発表のお知らせです。

(代表者:小勝禮子)

■■ 「女性アーティストを取り巻く諸相:多様性/生計/ギャラリスト」

■日時:2019年7月27日(土)午後2時~6時

■場所:大阪大学豊中キャンパス、文法経研究講義棟1階、文11
http://www.let.osaka-u.ac.jp/ja/access (芸術研究棟=地図の6番)
http://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/toyonaka/toyonaka.html

■概要
 女性アーティストは、どのようにして生計を立て、制作を継続し、美術界を支えてきたのか。女性は、家計補助や代替労働力として社会に位置付けられてきたが、中堅以上で地方在住のアーティストの場合はどうか。アーティスト自身による報告と貸し画廊を主宰する事例の紹介を行う。一方「多文化主義」を標榜してきたアメリカ合衆国において、女性アーティストの状況に変化はあったのか。本研究会では、女性アーティストを取り巻く諸相について、美術に関わる3人が発表する。

■スケジュール
14:00~14:10  開始(自己紹介他) 司会:小勝禮子(京都造形芸術大学非常勤講師)

14:10~15:30    【発表1】
由本みどり(ニュージャージー・シティ大学准教授/ギャラリー・ディレクター)
「ホイットニー・ビエンナーレを通して考えるアメリカ芸術界の『多様化』と女性芸術家の活躍」
<休憩>
15:50~16:30   【発表2】
稲垣智子(アーティスト/大阪大学大学院M2)
「持続可能なアーティストの生活への考察―作品を通して」

16:30~17:10   【発表3】
中西美穂(大阪大学大学院D3/大阪アーツカウンシル統括責任者)
「貸し画廊とアーティスト
―田村慶子の陶作品《よりしろ》における楓ギャラリーの役割」

17:10~18:00    全体議論 司会:北原恵(大阪大学教授)
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■主催:平成31年度科学基盤(C)(研究代表者:小勝禮子、分担者:北原恵・金惠信)
「東アジアの女性アーティストに見る地域と歴史の境界をめぐる研究」